転職はブランク期間があると厳しい?
近年では、特に女性の場合には、何かしらの事情で仕事を辞め、社会とは無縁の日々を送ってから、復職を目指すといった方が増えています。
例えば、両親などの介護のためであったり、結婚や妊娠、出産、育児なんてことが、それにあたります。
また、男性の場合でも、病気などに掛かってしまい、治療や療養を余儀なくされて仕事を辞める。
その後に体調が回復し、仕事に復帰するといったパターンが考えられますが、そんなに簡単にブランクがあって転職が実現出来るものなのでしょうか。
ここでは、転職はブランクがあると厳しいのか?について掘り下げていきましょう。

この記事の目次
多くの採用担当者が気にしている
9割の人事担当者が気になるブランク
現実問題として、ブランク(空白期間)が履歴書などにある方の転職は、不利になる傾向が高いと言わざるを得ません。
実際のデータにも、ブランク期間がある人材は、気になりますかという質問に対して、9割もの人事担当者がイエスと回答しているからです。
もちろん、絶対に不利になるとは言えません。
ブランク期間に何をしていたのかが問題です。
そもそも、ブランクとは、履歴書であったり、職務経歴書などに記載することが出来ない「仕事についていない時期」、つまりは離職期間のこと。
そして、このブランク期間は、それぞれの事情によって異なります。
冒頭にあるように、出産や育児、介護といった仕事との両立が困難だと判断出来る理由もあれば、語学留学をしていただとか、仕事に必要な資格試験を取得していたといった、仕事に活かすことが出来るスキルアップのために使われた前向きな期間の場合もあるのです。
ブランク期間に何をしていたのかが重要
一概に一年間も職に就いていないのだから、この人材は問題だと判断し、不採用にする企業は存在しません。
ただし、一般的にブランク期間があって、気にされるのは、半年以上のブランクがある方と言われています。
3ヶ月や半年というブランクであれば、さほど気にすることもなく、転職には影響しないとも言われています。
しかしながら、ポイントになってくるのは、ブランク期間に何をしていたかということ。
3ヶ月でも、職安にも行かず、バイトもせず、転職活動もしないで、ブラブラと遊びまわっていたというのであれば、問題視されることでしょう。
逆に1年という長いブランクでも、語学留学をし、TOEICスコアで高得点を出したなどの結果があったり、ネイティブ並にその言語を使えるようになったという場合なら、採用側も評価を改めるものなのです。
進歩の早い業界は要注意
IT・WEB関係は要注意
ブランクは、その期間ではなく、その期間に何をしていたのかによって、心象が変わるということは、分かったと思います。
ただ、ブランク期間の長さが、転職活動にモロに影響する業界や職種も存在してます。
それがIT業界やWeb関連職です。
どうして、この業界がブランク期間の長短によって、大きな影響が出てしまうのかというと、この業界そのものの変化の流れが、ものすごく短期的でスピードが早く変化しているから。
この分野では、新しい技術が、次々と開発されては、その手法がスタンダード化していく世界です。
半年どころか3ヶ月のブランクがあるだけで、まるで別の世界に変わってしまったような印象を受けるほどに、早いサイクルで変化を繰り返しています。
前線で働いている方達は、その変化の早さを痛感していますから、3ヶ月前にいくら実績を挙げれていたとしても、同じように活躍出来る人材であるかは、疑わしいという結論を出すのです。
結果、面談などで新しい話題を出し、ついてくることが出来なければ、採用されることは難しいでしょう。
変化の早い業界ではブランクは不利に働く
他にも、業界の動向が刻々と変化をしている業界などでは、ブランク期間は、転職活動において不利になると言えるでしょう。
ただし、前向きな理由でのブランクであれば、それを評価してくれる企業も多く存在しています。
特に役立つ資格を取得していて、それを取得出来たといった実績があれば、採用には前向きになってくれるでしょう。
ただし、なるべくブランク期間は短めにしておくように注意することがポイントになってきます。
ブランクがあまり関係ない職業もある
専門的な士師業はブランクに強い
こういった業界がある一方で、ブランク期間が全く関係ない業界や職種も存在しています。
一言で言ってしまうと、専門職がそれにあたります。
国家資格などを有する専門職の場合には、正直、ブランクがあるかどうかなどは関係ありません。
調理師や看護師、薬剤師や医師などの士師業がその筆頭とされていますが、専門性が高ければ高いほどに、ブランクの影響は少なくなっています。
特に看護師の場合には、看護師不足が以前から問題視されており、資格を有しているのに現場で働いていない潜在看護師が70万人も存在しているとされています。
この眠っている看護師をブランク明けででも復職させることが出来れば、現在の看護師不足問題は簡単に解消出来ると言われているのですが、そう簡単には行っていません。
理由は、ブランクからの不安。
人の命を扱っていることへのプレッシャー。
激務のトラウマや、育児のため夜勤が出来ないという同僚への遠慮といったものが原因です。
ブランク明けのサポートが増えてきている
しかしながら、近年では、ブランク明けでも復職までの研修サポートシステムを構築して人材を広く集めている医療機関も多く存在していますし、どういった理由であっても、人材不足解消のためにと、積極的にブランク明けの看護師を受け入れているところも見られています。
これはあくまでも一例であり、極端な例かもしれません。
しかしながら、専門職で人材不足に悩んでいる売り手市場の業界や職種などであれば、むしろブランク明けでも、ブランク前の給料や待遇面と比べ、アップした状態で転職を実現出来る可能性が高いのです。
看護師の世界は、特別と言わざるを得ません。
例えば、似たような医療業界で薬剤師がありますが、同じ専門職であり、大学の薬学科を修め、難易度の高い国家資格を取得しなければならない職業です。
しかし、薬剤師の場合には、2年から3年のブランクならば転職も可能なものの、5年や10年となると、薬事を取り巻く法律や制度、更に新薬に関する知識が一新されることがあるため、復職がやや難しくなると言われています。
しかし薬剤師の場合、大きな薬局等では、『オーベン・ネーベン制』というマンツーマンの指導システムを導入している所が増えてきています。
看護師のような業界や職種は、そうそう多くあるものではありません。
また、ブランク明けにも有利だからと、今から資格取得を目指しても、それは単に資格があるだけで、実務経験がゼロではあれば、お話にならないというケースも珍しくないのです。
ですから、なるべくブランクは作らないように、やばいと思ったら転職エージェントなどを上手に利用して、満足が出来る職場へと転職し、ブランク期間を作らないように気をつけましょう。
まとめ
一般的なブランクは、やはり採用側からは、気になるネガティブポイントになることが多い。
特に変化のサイクルが早いIT業界などでは、少しのブランクも致命傷になり得るもの。
ポイントになってくるのは、ブランク期間に何をしていたのかということ。
どうしてブランク期間が出来てしまったのかという理由なので、そこら辺は、面談の前に考えておくこと。
一方で、看護師などの専門職では、そこまでブランクは考慮されず、むしろ積極的に復職支援を行っている状態である。
しかし、このような職種や業界は、本当に稀であり、やはり出来ることなら、ブランク期間を作らないための努力が必要と言える。
一般職などでも、少しでも問題が生じそうなら、転職エージェントなどを上手に使って転職、自分が無理なく働ける環境を作り離職期間を作らないことが大事になります。


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